アンケート結果のまとめ方を解説|自由記述はどうやってまとめる?
新商品や新サービスの開発や顧客満足度調査などのように、さまざまなデータが求められる業務において、アンケート調査は効果的な手段といえます。
しかし、アンケートの量が膨大になると集計作業も煩雑化し、どのようにまとめれば良いのか分からなくなることも多いでしょう。
そこで本記事では、アンケート結果のまとめ方の基本を解説します。
アンケート結果のまとめ方
アンケートは単に多くの回答を得られれば良いというものではなく、それらを集計し正確に分析することで全体の傾向が把握できます。
そのために押さえておきたい基本的な流れが、「集計」「グラフ化」「分析」という3つのプロセスです。
不特定多数の回答者から得たアンケートを一つずつデータとして拾い上げ集計し、それをグラフ化します。
すると、一目で結果が分かるようになるので、可視化されたデータをもとに全体の傾向を分析します。
これにより、アンケートの対象者はどのような考え・意見をもっているのか、何が大きな課題なのか、優先して解決すべき事象や問題などを見つけ出せます。
それは、有効な解決策を立案することにもつながっていきます。
アンケート結果の集計方法
不特定多数の対象者からアンケートの回答を得た後、ひとつ目のプロセスとして「集計」があることをご紹介しました。
一口に集計といってもアンケートの目的や種類によってさまざまな方法があります。今回は代表的な3つの集計方法をご紹介しましょう。
単純集計
単純集計とは、アンケートの設問に応じてどの程度の回答者が答えたか、その実数や割合、平均値などを把握するために用いる集計方法です。
Q.商品Aを試食した感想をお聞かせください | 回答数(N) | 割合(%) |
1.美味しかった | 70 | 70% |
2.どちらともいえない | 20 | 20% |
3.美味しくなかった | 10 | 10% |
計 | 100人 | 100.0% |
上記の例では、全体として7割の回答者が「美味しかった」と回答し、好評を得たという結果が読み取れます。
上記のような設問一つずつのデータをまとめたものを、シングルアンサー(単一回答)形式の単純集計と言います。
複数の質問をまとめて集計するものは、マルチアンサー(複数回答)形式と言います。
クロス集計
クロス集計とは、上記で紹介した単純集計をより詳細にまとめる集計方法です。
単純集計では、回答者や回答数の総数を把握することはできますが、性別や年齢層といった属性までは分かりません。
そのため、どの層に支持されているのか把握することは難しいものです。
単純集計ではまとめられなかった、上記の属性を踏まえて集計する方法をクロス集計とよびます。
全体 | 1.美味しかった | 2.どちらともいえない | 3.美味しくなかった | ||
全体 | 100 | 70 | 20 | 10 | |
性別 | 男性 | 50 | 28 | 15 | 7 |
女性 | 50 | 42 | 5 | 3 | |
年代 | 男性20代 | 15 | 10 | 3 | 2 |
男性30代 | 15 | 8 | 5 | 2 | |
男性40代 | 10 | 5 | 3 | 2 | |
男性50代 | 10 | 5 | 4 | 1 | |
女性20代 | 15 | 15 | 0 | 0 | |
女性30代 | 15 | 11 | 1 | 3 | |
女性40代 | 10 | 9 | 1 | 0 | |
女性50代 | 10 | 7 | 3 | 0 |
上記の例では、商品Aは特に女性の若年層に支持される割合が高い一方で、40代以降の男性では意見が割れる傾向が見られることが分かります。
自由記述の集計
自由記述とはその名の通り、複数の選択肢から回答してもらうのではなく、意見や考えを自由に記述してもらった内容をまとめる集計方法です。
単純集計やクロス集計のように機械的にデータを集計できるケースもあれば、アンケートの回答内容を確認し、集計しなければならないこともあります。
自由記述の集計方法について、「自由記述回答のまとめ方」の章でも詳しく解説します。
アンケート結果を可視化するグラフ
集計が終わったら、それらの数値をもとにグラフを作成し可視化します。こちらもデータの種類や特性に応じてさまざまな種類を使い分ける必要があります。
円グラフ
シングルアンサー形式での単純集計結果をグラフ化したい場合には、円グラフが適しています。
一目で回答の割合や傾向が把握でき、見慣れた形式のグラフでもあるため誰にとっても分かりやすい特徴があります。
帯グラフ
帯グラフは帯状の太いラインの中に、それぞれの回答の割合を色分けによって区切って示すグラフです。
円グラフは一目で見やすいメリットがある一方で、複数の設問がある場合にスペースをとってしまい効率的ではありません。
帯グラフであれば、複数の設問に対応したグラフを複数配置でき、限られたスペースを有効活用できます。
棒グラフ
棒グラフとは、回答の選択肢ごとにその数を表したグラフです。
複数の回答が選択できる場合に用いられることが多く、選択肢ごとの高低を一目で確認できることが特徴です。
また、クロス集計の際に、属性ごとの傾向を判断するために用いられることもあります。
折れ線グラフ
折れ線グラフは時系列の変化や年代ごとの比較をするために、縦軸にデータ、横軸に時間軸を設け、それぞれのデータをプロットした後に線で結び表したグラフです。
レーダーチャート
レーダーチャートは中心から外側に放射状に伸びる複数の軸を繋いだ正多角形のグラフです。
たとえば、ある人物のスキルの傾向を集計したり、複数科目のテストの成績を集計したりすることで、長所と短所を分析することもできます。
自由記述回答のまとめ方
自由記述方式のアンケートをまとめる際には、主に数値データを集計する方法と、アフターコーディングとよばれる方法の2種類があります。
たとえば、「1日のランチにかけるお金は平均いくらですか?」という問いに対し、選択肢ではなく自由に金額を記述してもらうとします。
その場合には、そのデータを数値化したうえで平均や中央値、標準偏差、最小値・最大値などを求めます。
また、「ランチで食べたいメニューはありますか?」という問いの場合、数値化することはできないため記載された内容を一覧などにまとめる方法もあります。
アンケート結果のExcelでのまとめ方
アンケートの回答をまとめるために、日々の業務で使用しているExcelを活用できないかと考える方も多いでしょう。
結論からいえば、工夫次第でExcelをアンケート集計に活用することは十分可能です。
一例として、シングルアンサー形式のアンケート結果をまとめる簡単な手順をご紹介しましょう。
- 行(横)にアンケートの設問を入力
- 列(縦)にアンケートの回答選択肢を入力
- 回答者ごとに以下の表に入力していく
回答者1 | 設問1 | 設問2 | 設問3 | 設問4 | 設問5 | 設問6 | 設問7 |
選択肢A | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
選択肢B | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
選択肢C | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
選択肢D | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 |
選択肢E | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
上記のように、該当する項目には「1」それ以外は「0」を入力します。
そのうえで、関数のひとつである「COUNTIF」を利用すれば、選択した範囲のセルから「1」の条件にマッチしたセルをカウントすることができます。
すると、アンケート集計の手間が大幅に省けるでしょう。
ただし、簡単なアンケートであれば上記の例に従って集計できますが、複雑な内容になると知識や労力が必要であることから、Excelでの集計には限界があります。
アンケート集計は業者に依頼するのがおすすめ
アンケートの集計作業に関する知識がない、または膨大な量で集計作業に多くの手間を要する場合には、専門業者へ依頼することもひとつの手です。
専門業者へ依頼するメリットや、業者選びのポイントをご紹介しましょう。
業者に依頼するメリット
専門業者はアンケートの集計に関する専門的な知識やスキルに精通しており、正確かつスピーディーにまとめることができます。
また、データの集計やグラフによる可視化によって、そこからどのような傾向が見られるのか精度の高い分析も可能です。
すると、自社の課題や取り組むべき問題の優先度も見えてくるでしょう。
膨大なアンケートを集計する手間がなくなることで、定型業務に割く時間を削減でき、事業企画や製品開発、営業といったコア業務に専念することもできます。
業者選びには注意!
一口に専門業者といってもさまざまな業者が存在し、中には信頼性に乏しく満足な品質が期待できないケースもあります。
特に、他社と比較して価格設定が安すぎる業者や、Webサイトを調べても実績や事例紹介が見つからない業者は要注意といえるでしょう。
また、Webサイトで情報収集を行う際には、そのサービスの運営会社もしっかりと確認しておきましょう。
企業の実態が不明瞭な企業は、たとえば自社で作業を行うことなく海外に拠点を置き、外注先に業務を丸投げしているケースも想定されます。
アンケート集計ならプロセス・マネジメントにお任せ!
信頼できる専門業者をお探しの方は、ぜひ一度プロセス・マネジメントへご相談ください。
プロセス・マネジメントではアンケート回答結果のデータ入力から集計、グラフ化、データ分析までをワンストップで対応しています。
作業を担当するのはすべて日本人スタッフのため、高い集計精度が求められるアンケートも安心してお任せいただけます。
さらに、アンケートの内容によっては、機密情報や営業情報など高度な情報管理が求められるものも多いでしょう。
プロセス・マネジメントは、個人情報保護士資格を保有したスタッフで構成されています。
会社としてもプライバシーマークを取得しているため、万全のセキュリティ体制を整えています。
まとめ
アンケートの結果をまとめるためには、地道な集計作業とグラフによるデータの可視化、さらには高度な分析といったプロセスが必要です。
また、集計方法やグラフにもさまざまな種類があり、アンケートの目的や種類、設問内容などに応じて最適なものを選定しなければなりません。
アンケートの設問数や内容によっては集計方法が複雑化したり、そこから何を読み取れるのか分析も高度化する可能性があります。
そのような場合には、専門業者へ依頼することも検討してみましょう。
信頼性が高く安心して任せられるアンケート集計業者をお探しの方は、プロセス・マネジメントへぜひお気軽にご相談ください。
アンケートにおけるレポート作成のコツ
こんにちは、森田です。
アンケートの集計結果をレポートとして作成する際、
「データをどのように可視化すれば良いのか?」
「集計結果を正確に、わかりやすくまとめるには?」
と悩むことはございませんか?
アンケートにおける報告レポートの完成度は、
集計にかかっているといっても過言ではありません。
そこで今回は、アンケート結果の効率的な集計方法と、
レポート作成のポイントについてご紹介いたします。
アンケート配布・回収・集計時のポイント
こんにちは、森田です。
早いもので2017年最後の更新となりました。
これまで当ブログでは、DM発送やスキャニングなど
さまざまなことをご紹介してきましたが、
なかでも今年は、「アンケート調査」について
注力させていただきました。
読者の方はもうお分かりかもしれませんが、
アンケートを実施するときに重要なポイントは
配布・回収・集計です。
そこで今回は、
「アンケートの配布・回収・集計時のポイントや注意点」
をご紹介したいと思います。
アンケートの前に必要な「仮説構築」について
こんにちは、久保です。
マーケティングにおいて、
アンケート調査は有効な手段です。
その際たびたび見られるのは、
「ただ聞きたいことを並べた」だけのアンケートです。
回答を有効に活用したいと思っていても、
聞きたいことを並べただけでは、
「本音」の回答を得ることは難しいかもしれません。
では、本音を引き出せるアンケートを作るには
どうしたらよいのでしょうか?
参考となるのが、「仮説構築」という作業です。
そこで今回のブログでは、
アンケート調査の前に必要な「仮説構築」について
ご紹介したいと思います。
(さらに…)
アンケート調査票の構成方法
こんにちは、久保です。
アンケートを行う場合に必要となるのが、
「調査票」と呼ばれるシート。
この調査票の完成度で得られるデータの良し悪しは
大きく異なります。
いざ調査票を作成してみると思いのほか難しく、
「回答率がふるわなかった」
「想像とは違う調査結果になってしまった」
という経験のある方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、効果的な調査票を構成するポイントを
ご紹介します。
イベントでアンケートを行う際のポイント
こんにちは、森田です。
セミナーや展示会をはじめとしたイベントを
無事終わらせるためには、
実に多種多様な、それでいて細やかな配慮が
必要となる業務がいくつも発生します。
中でも、イベントを運営する上で、
アンケート調査は欠かせません。
アンケートで得られる情報は、
実際にイベントに参加したお客様の生の声です。
それらは運営体制の改善、見込み客への
フォローアップやリード育成など、
幅広く活用することができます。
このように、様々な場面で効果的に活用できる
アンケートですが、有用なアンケートを
つくるためにはどうしたら良いでしょうか?
今回は、イベントにおいて、
アンケート効果を高めるために気をつけるべき
ポイントを紹介します。
アンケート実施時に必要なサンプル数は?信憑性のある人数とは
こんにちは、久保です。
皆さんはアンケートを作成・実施する際、「調査する人数(サンプル数)」を意識していますか?
アンケートでは、一般的に対象となる「母集団」の中から一部を抽出して調査を行います。
それにあたり、「何人分集めたらいいのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
サンプル数が少なすぎると、誤差が大きくなり、データの信ぴょう性が薄くなってしまいます。
サンプル数は多ければ多いほど、より正確なデータを集めることができます。
しかし一方では、コストがかさむだけでなく回収したアンケートの入力・集計に手間がかかるといったデメリットも。
本記事では、アンケートを実施するにあたっての適切なサンプル数について解説していきたいと思います。
関連記事:アンケート結果の効率的なまとめ方|パワポとワードのメリット・デメリットも解説
サンプル数は母集団の規模によって決まる
たとえば「ラーメンが好きな日本人」を調査したい場合、母集団は「日本人」となり、対象人数は約1億3,000万人です。
また、ある町内会の会員に意見の聞き取りをしたい場合は、その町内会の会員全員が対象となります。
当然、それぞれのアンケートで集めるべきサンプル数は異なります。
なぜなら母集団の規模がまったく違うからです。
以下に、上下5パーセントの誤差範囲で調査する際に必要なサンプル数(人数)を掲載します。
・母集団:100人⇒サンプル数:約80人
・母集団:1,000人⇒サンプル数:約280人
・母集団:10,000人⇒サンプル数:約370人
・母集団:100,000人⇒サンプル数:約380人
・母集団:1,000,000人⇒サンプル数:約385人
母集団が多ければ多いほど必要なサンプル数は増えますが、必ずしも母集団の人数に比例するわけではありません。
特に、母集団が10,000人以上になると、サンプル数の増加が緩やかになっていくのがわかると思います。
母集団が10,000人以上の場合、およそ400人のサンプルを集めることができれば充分だといえるでしょう。
関連記事:セミナーアンケートを有意義なものにする7つのコツを紹介!
アンケートの誤差を測る2つの指標
本来、100%正確なアンケート調査を行うためには母集団の全員に聞き取りを行うことが必要ですが、現実的にそれは不可能に近いです。
そのため、得られた結果には必ず「誤差」が生じます。
この「誤差」の程度を測る指標として、「許容誤差」「信頼レベル」の2つが存在します。
許容誤差
アンケートから得られた結果が、母集団の実態からどれほど離れている可能性があるかを表す指標です。
つまりこの数値が大きいほど、「実態からかけ離れている」ことを意味します。
仮に許容誤差が3パーセントだとして、「日本人の90%がラーメン好き」という
結果が得られたとき、実際の母集団は「87~93%がラーメン好き」ということになります。
信頼レベル
サンプルの中から選んだ1つが許容誤差内の結果である確率を表す指標です。
例として「信頼レベル90%」であれば、「100人中90人は許容誤差内の結果だった」ことを意味します。
一般的に、許容誤差は1~10%、信頼レベルは90~99%で設定されます。
アンケート入力・集計はプロセス・マネジメントにお任せ
アンケート結果は、正確なものでなければ有用なデータとして扱うことはできません。
信ぴょう性の低いデータを基に開発・改善を行ったところで、顧客が真に求める商品・サービスを提供することは難しいでしょう。
つまり、回収業務(サンプルを集めること)はアンケートを実施するにあたりきわめて重要な要素なのです。
回収後はただちに回答を入力、データ化し、戦略ツールとして役立てましょう。
「回答を集計・データ化する時間がない…」
「社内スタッフに入力を任せると入力精度が低い…」
このようなお悩みを抱えているお客様は、ぜひ弊社にご依頼ください。
入力精度99パーセント、顧客満足度90パーセントの実績で、お客様のニーズに速やかにお応えします。
従業員満足度(ES)アンケート作成のポイント
こんにちは、森田です。
「顧客満足度調査」という言葉はよく耳にしますが、
従業員を対象とした「従業員満足度調査」は
ご存知でしょうか?
会社方針、福利厚生、上司や同僚への満足度などを
調べることで問題点の洗い出し・改善を行うための調査で、
別名、ES(Employee Satisfaction)調査とも呼ばれます。
従業員の抱える問題やストレスが軽減されれば
会社への帰属意識の向上、ひいては
離職率の低下や社内の連携強化にもつながります。
今回は、従業員満足度を正確に測るために
重要なポイントについて、ご説明します。
研修の後は、アンケートで効果測定を!
こんにちは、久保です。
新人研修やスキルアップ研修などを実施した際、
終了後にアンケートをとっていますか?
研修をただ機械的に行うだけでは、参加者に知識やスキルは
身につきませんし、研修の質を上げることもできません。
特に、社外の会議室などを押さえ、著名な講師に講義を
依頼している場合は、講師料に見合う内容でなければ
費用対効果の悪い研修となってしまいます。
研修後のアンケートは、社内外を問わず非常に効果的です。
なぜなら、参加者の「熱」が冷めないうちに
意見を集めることで、より次回に活かせる情報が
得られるからです。
今回は、研修後の効果的なアンケート方法について
ご紹介します。
展示会でのアンケート実施のポイント
こんにちは、森田です。
商品・サービスの売上向上や顧客獲得のために行われる
展示会ですが、今後のアプローチをうまくすすめるためにも
「展示会でのアンケート」は重要です。
展示会でアンケートを行うことは、
展示会を成功させるための重要項目と言っても
過言ではありません。
では、展示会ではどのようなアンケートを
行えば良いのでしょうか?
そのポイントを分かりやすくご説明させていただきます。