フレームワークを活用して、業務改善を
業務改善のために、ツールを導入したり
社内ルールを変更したりすることは重要です。
しかしそれ以前に、業務改善にあたって
まず念頭に置かなければならないのは、“考え方”。
フレームワーク(枠組み)を意識して業務に取り組めば、
意思決定、戦略立案、問題原因の特定などが
しやすくなり、どのような課題にも向き合えるようになります。
また、自身の業務効率化を図れるだけでなく、社内資料や
お客様への提案資料を作成する際にも、
ポイントを押さえたわかりやすい資料ができ上がるでしょう。
今回は、ビジネスにおいて業務改善につながる
フレームワークを6つご紹介します。
◆おすすめのフレームワーク6選◆
<1. 5W2H>
ビジネスの基本でもある5W2Hは、
いわばフレームワークの基礎です。
5W2Hとは、
When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、
What(何を)、Why(なぜ)、
How(どのように)、How Much(いくら)を表しています。
これらを意識することが、業務改善の
第一歩といっても過言ではありません。
<2. PDCA>
フレームワークの中で、特に有名なものが
このPDCAでしょう。
ビジネスマナー研修などで耳にしたことがある方も
多いのではないでしょうか。
PDCAとは、
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の
頭文字をとったもので、この4つをひとつのサイクルとして
繰り返すことで、業務改善を実行します。
ポイントとなるのは、
「Planではなく、Checkから始める」ということ。
業務改善においては、まずは現状を把握(Check)し、
改善策(Act)、改善計画(Plan)を立て、実行(Do)に移します。
我々は実態に即した仕事のやり方を自ら設計・構築し、
適用しながらPDCAサイクルを実行します。
<3. ECRS>
PDCAが計画から改善までの“流れ”を
示しているのに対し、
ECRSは“順序”を表しています。
それぞれ、
Eliminate(取り除く)、Combine(つなげる)、
Rearrange(組み替える)、Simplify(簡素化する)
という意味で、業務に置き換えると以下のようになります。
Eliminate(取り除く)…業務を無くせないか?
Combine(つなげる)…業務を一つにまとめられないか
Rearrange(組み替える)…業務実施の順序・方法は変更可能か?
Simplify(簡素化する)…業務をもっと単純にできないか?
業務改善では、Eliminateから始めることをおすすめします。
<4. ロジックツリー>
ひとつの問題に対し、枝分かれのように分析を行っていくことで、
問題の根本的な原因を見つけ出すことができます。
例:ブドウの売上が低下している
→(1)販売力が弱い
→(2)価格が高い
(1)販売力が弱い
⇒店員の商品知識不足
⇒販売コーナーの縮小
(2)価格が高い
⇒輸送費が増えた
⇒台風が多発し、収穫が少なかった
このように、理由を一つひとつ分析していくことで、
原因を追及していきます。
ただし、ロジックツリーを用いる際は、
原因に漏れや重複がないか気をつけてください。
また、「原因の階層を合わせる」という点にも注意しましょう。
最初の「ブドウの売上が低下している」という原因に対し、
「販売力が弱い」「価格が高い」という2つの理由を挙げましたが、
ここに「低価格の代替品が増えた」を並べることはできません。
なぜなら、「価格が高い」に分類される項目だからです。
分類を誤ると、正確な原因特定ができなくなってしまうので
注意してください。
<5. バリューチェーン分析>
顧客に商品・サービスの“価値”が
届くまでのプロセスを分析し、
「どの工程で付加価値を出しているか」
「自社の強み・弱みは何か」を見つけ出す方法です。
バリューチェーンを利用する際には、
商品・サービスが顧客に届くまでの間に
直接関係する主活動(製造、物流、販売など)と、
それを支える支援活動(技術開発、財務、人事など)を
洗い出して、分析します。
<6. BPMN>
Business Process Model and Notationの略で、
一般社団法人日本ビジネスプロセス・マネジメント協会では、
次のように説明しています。
「BPMNは、業務を実行する際に、
関係者が共通に理解しておくべき、
仕事の始め方、役割分担、各担当の仕事内容、
お客様とのやり取りなどのフローを記述する手法です。
国際標準(ISO19510)になっています。」
つまり、BPMNは規格化された方法で
業務の流れなどを可視化するためのフレームワークです。
◆業務改善には、フレームワークを◆
会社の業種や業務内容、規模によって、
適したフレームワークは異なります。
また、枠組みに縛られすぎてしまうと、
柔軟な発想を妨げるおそれもあるため注意が必要です。
まずは、「考え方のひとつ」程度の気持ちから始め、
自社に適したフレームワークを見つけていきましょう。
その上で、
「フレームワークを取り入れたが、業務改善につながらない…」
とお困りの方は、弊社にご相談ください。
弊社の業務効率改善コンサルティングで
業務の可視化・効率化・仕組み化を図り、
経営課題の解決に貢献します。