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電子帳簿保存の見積書はどこまで対象?保存期間や方法について解説

2024年1月1日から適用された電子帳簿保存法により、「全て対応しきれていない」と焦っている方は多いのではないでしょうか。

しかし、見積書が電子帳簿保存法の対象となるか、どのような保存期間が適用されるか、また保存方法について不明な点も多くあるでしょう。

本記事では、見積書が電子帳簿保存法の対象かどうか、保存期間や具体的な保存方法について詳しく解説します。

企法的要件を遵守しつつ、効率的に電子帳簿を管理するための参考にしてただければ幸いです。

見積書は電子帳簿保存法の対象?

見積書は電子帳簿保存法の対象書類で、国税関係書類の取引関係書類に分類されます。

電子帳簿保存法の対象書類であるため、電子データでやりとりした見積書は電子データでの保存が必須です。

しかし、電子データで保存する場合は複数の要件を満たす必要があり、要件を満たさなければ罰則が課せられる可能性があるため注意が必要です。

見積書の保存期間は?

見積書の保存期間は、次のように決められています。

保存期間
法人7年間
(青色繰越欠損金が生じた場合、青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた場合は10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間))
個人5年間

見積書の保存期間で注意すべき点は、見積書の保存期間の起算日(期間を数え始める日)は見積書を発行した日ではなく、その事業年度における確定申告書の提出期限の「翌日」となっていることです。

例えば、令和6年6月1日に見積書を発行し、確定申告の提出期限が令和6年10月末日の場合、見積書は令和13年5月31日ではなく、令和13年10月末日まで保存しておく必要があります。

(欠損金の繰越控除を受けない法人の場合)

参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
参考:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|国税庁

見積書の保存方法

電子取引の場合と紙で受け取った場合で保存方法が異なるため、それぞれの場合に分けて見積書の保存方法を解説します。

電子取引の場合

メールやシステム上など、電子データで見積書のやりとりをした場合、電子データで保存することが義務付けられています。

電子データを保存する場合、主に以下の2つの要件を満たす必要があります。

  • 真正性の確保(改ざん防止)
  • 可視性の確保(日付・金額・取引先を検索できるように)

改ざん防止の措置は次のような方法があります。

  • タイムスタンプを付与する
  • 訂正履歴や削除履歴が残るシステムを利用する
  • 改ざん防止のための事務処理規程を定め、遵守する

また、日付・金額・取引先を検索できるようにするためには、次のような方法があります。

  • 日付・金額・取引先を検索できるシステムを導入する
  • 表計算ソフトで索引簿を作成する
  • 規則的なファイル名を付ける

以上のような措置を講じたうえで、指定されたデータをすぐに出力できる環境も整備する必要があります。

ただし、2024年1月からは、以下の要件に該当する場合は電子データを保存する際に保存要件を満たす必要はありません。

  • 保存時に満たすべき要件に従って電子取引データを保存することができなかったことについて、所轄税務署⻑が相当の理由があると認める場合
  • 税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」及びその電子取引データをプリントアウトした書面の提示・提出の求めにそれぞれ応じることができるようにしている場合

参考:電子帳簿保存法の内容が改正されました 〜 令和5年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要 〜|国税庁

紙で受け取った場合

紙でやりとりを行った見積書は、紙で保存するか電子データ化して保存するかのいずれかを選択できます。

紙で保存する場合は、従来と同じく整理してファイリングしておくようにしましょう。

電子データ化して保存する場合は、次の2通りの保存方法があります。

  • パソコン等で作成した見積書をデータのまま保存する
  • 紙で作成・受領した見積書をスマホやスキャナで読み取る

パソコン等で作成し、紙を出力してやりとりした書類を保存する場合は、プリントアウトせず電子データのまま保存できます。

訂正履歴や削除履歴が残るシステムを利用しない場合でも、以下の2つの要件を満たしていれば、データでの保存が可能です。

  • システムの説明書やディスプレイ等を備え付けていること
  • 税務職員からのデータの「ダウンロードの求め」に応じることができること

さらに、訂正履歴や削除履歴が残るシステムを利用するなどの一定の要件を満たし「優良な電子帳簿」として保存すれば、過少申告加算税の軽減措置が受けられます。

一方、紙で作成・受領した見積書をスマホやスキャナで読み取る場合には、解像度やカラーなど複数のルールが設けられているため、要件を満たしたシステムを利用するのがおすすめです。

スキャナ保存をする際に必要な手続きはないため、好きなタイミングでスキャナ保存を開始できます。

見積書を電子帳簿保存する際の注意点

社内で電子帳簿保存を行う場合、以下のような問題があります。

契約に至らなかった見積書の保存

契約に至らなかった見積書は保存しなければいけないのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

仮に契約に至らなくても、作成した見積書は保存しなければなりません。

発行した見積書の控え、および取引先から受け取った見積書は、契約に至らなくても保存するようにしましょう。

不正・改ざん防止措置

作成した見積書を電子保存する場合、不正や改ざんを防止する措置を講じることが必要です。

改ざんを防止する機能が搭載されたシステムを用いることはもちろん、不正防止のための規定も整備しておく必要があります。

仮に、規定を整備しておらず電子データの不正が発覚した場合、重加算税の対象となってしまう可能性がある点に注意してください。

見積書の電子帳簿保存でお困りならプロセス・マネジメントまで

プロセス・マネジメントでは、見積書を含む各種書類の電子化サービスを提供しています。

当社の専門チームが、2024年1月1日から適用されている電子帳簿保存法の義務化への対応を行っています。

法的要件を遵守したデータ管理を支援し、業務の効率化を実現します。

さらに、業務改善コンサルティングを通じて、生産性向上やコスト削減をお手伝いします。

電子帳簿保存法対応のことでお困りなら、ぜひプロセス・マネジメントにご相談ください。

まとめ

電子帳簿保存法に基づく見積書の管理を行うことで、法律に準拠できるだけでなく業務効率の向上にも寄与します。

見積書の保存期間や方法について正しく理解し、適切に運用することが重要です。

特に、電子取引や紙で受け取った場合の対応、契約に至らなかった見積書の扱い、不正防止措置などに注意を払いましょう。

プロセス・マネジメントのサービスを活用することで、より効率的かつ確実な電子帳簿保存が実現できます。

ぜひ、本記事を参考にして、電子帳簿保存の導入と運用をスムーズに進めてください。