統計データを取るためのアンケート集計|分析方法も解説
「アンケートを取ったはいいものの、集計作業が多くて終わらない」「集めたデータをどうやって報告書に活かせばいいか分からない」といったお悩みはありませんか?
顧客満足度調査や社員意識調査など、ビジネスにおける意思決定や改善施策の根拠となるのは、数値的・統計的に整理されたデータです。
本記事ではアンケート結果を「統計データ」として活用したいとお考えの方に向け、基本となるポイントから集計・分析方法まで分かりやすくご紹介します。
目次
統計データを取るためのアンケート集計の基本
統計データに基づいたアンケート集計は、組織の現状を客観的に把握し、次の行動を決めるための土台になります。
統計データはどんな場面で必要?
統計データは主観的な印象ではなく、数値を伴う裏付けをもって現状を把握し、意思決定や改善施策の根拠を得たいときに必要です。
- 顧客満足度調査:どのサービスが評価され、どこに伸びしろがあるかを数値で特定する
- 社員意識調査:部署や年代別にモチベーションや課題意識の違いを把握する
- 商品・サービス評価:具体的な機能や価格に対し、市場の反応を測る
- イベントアンケート:参加者の満足度を数値化し、次回の開催に向けた改善点を洗い出す
これらの場面で統計データを用いることで、「なんとなく良さそう」といった印象から、「この数値を改善したから効果が出た」という確かな判断ができるようになります。
統計データを取ることで得られるメリット
統計データを得ることで以下のようなメリットが得られ、組織全体の意思決定の質を高められます。
- 回答の傾向や課題点を可視化できる
回答のばらつきや意見が集中している箇所が一目でわかるため、改善の優先度が明確になる - データに基づいた判断が可能になる
経験や勘に頼るよりも、客観的な数値に基づいて判断ができるため、施策の成功率が高まる - 説得力ある報告・提案ができる
「回答者の85%がサービスに不満を感じている」などの具体的な数値は、報告や提案の説得力を高めてくれる
統計データを取るためのアンケート集計方法3つ
アンケート結果を集計する際は、基本となる3つの手法を使い分け、データ全体を把握することから始めます。
①単純集計
単純集計は、もっとも基本的かつ必須となる集計方法です。
各質問に対して「何人がどの回答を選んだか」をそのまま集計し、全体の傾向を把握します。パーセンテージ(%)や人数(N)として示します。
- 目的:全体の傾向、もっとも多い回答、少ない回答を把握する
- 活用:グラフ化することで誰にでも理解しやすいレポートになり、全体の傾向を共有しやすくなる
②クロス集計
クロス集計は、アンケート結果をより深く分析するための第一歩となります。
世代や年別、役職といった「属性」と特定の「回答」を掛け合わせて比較し、グループごとの違いや特徴を明らかにします。
- 目的:属性による傾向の違いや、特定のターゲット層のニーズを把握する
- 活用:「20代女性の満足度が低い」など、ターゲット層や改善点を具体的に把握できる
③自由記述集計
選択肢から選ぶデータだけでは、回答者の真意を100%読み取ることができません。
自由記述集計では回答文をポジティブ・ネガティブの軸で分類したり、頻出するキーワードを抽出したりすることで、数値化できない意見や感情を整理できます。
- 目的:顧客の「生の声」を理解し、データを補完する
- 活用:「〇〇という意見が多い」などの文章に裏付けを得ることで、データで得られた課題に対し具体的な原因を付け加えられる
統計データを取るためのアンケート分析方法5つ
基本的な集計から一歩踏み込み、より複雑なデータを効率的に利用するための統計分析手法をご紹介します。
①時系列分析
同じアンケートを複数回実施した場合に利用する分析です。
複数回の結果を比較し、時間の経過による変化を追うことで、改善施策の効果を検証したり市場や組織のトレンドを把握したりできます。
②クラスター分析
回答者全体を対象に、似た回答傾向を持つ人々をグループ化する方法です。
このグループ分けにより、「価格重視層」「品質重視層」「ブランド志向層」といった属性や意識の共通伝を探ることができ、ターゲットの明確化や施策の最適化に役立ちます。
③アソシエーション分析
ある回答と別の回答の「組み合わせの傾向」、つまり関連性を見つけるための手法です。
たとえば「アンケートの設問Aで満足したと回答した方は、設問Bでも再利用したいと回答する傾向がある」などの関連ルールを明らかにでき、クロス集計よりも複雑な関連性を深堀りできます。
④主成分分析
多数の質問項目がある複雑なアンケート結果に対し、より少ない指標に整理することで、データの背後にある本質的な要因を抽出する方法です。
たとえば10個の質問があっても、実は「使いやすさ」と「価格満足度」の2つの要因にまとめられることが分かるなど、複雑なアンケート結果をシンプルに理解できるようになります。
⑤決定木分析
特定の結果(満足・不満足、購入・非購入など)に影響を与えている要因を、質問への回答に基づいてツリー(木構造)で分類・可視化する方法です。
「〇〇という条件を満たすと、不満足になる確率がもっとも高くなる」などといった形で、改善すべき要素を直感的に把握しやすくなります。
まとめ:アンケート結果の集計・分析はプロセス・マネジメントにお任せください!
アンケートは、組織の課題解決やDX推進を進めるうえでの強力な武器になります。
しかし、統計的な分析を深く理解して行うには、専門的な知識や集計を自動化・効率化するためのツールが必要です。
「自社で人的リソースがない」「統計のノウハウがない」「集計や分析に時間がかかりすぎる」などのお悩みをお持ちの方は、ぜひプロセス・マネジメントへご相談ください。
プロセス・マネジメントではアンケートの設計から煩雑な集計・統計分析、そして意思決定に直結するレポート作成まで、バックオフィス業務の効率化をトータルで支援しております。
データ活用の第一歩として、まずはお気軽にお問い合わせください。
