アウトソーシングと外注・請負の違いとは?
こんにちは、久保です。
今やビジネスシーンで多く使われるようになった言葉の一つに、
アウトソーシングがあります。
アウトソーシングを一言で説明すると『外部委託』です。
一方で、昔から使われている言葉に『外注』『請負』があります。
広義的には、どれも『外部に仕事を依頼する』という意味ですが、
正確に『アウトソーシング』『外注』『請負』の違いを理解されている方は少ないのではないでしょうか。
この違いに関しては、専門家の間でも意見が異なりますが、
代表的な意見をもとに、違いについてご紹介してまいります。
◆アウトソーシングとは
アウトソーシングとは、
「企業がコア業務に集中し、ノンコア業務分野を外部委託すること(株式会社自由国民社発行の「現代用語の基礎知識2004」より)」
を指す用語です。
もう少し分かりやすく説明すると、
「経営資源をコア事業に集中投入するために、コア事業以外の部分を外部への業務委託によって補完すること」です。
特に中堅・大企業に比べて、
「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といった経営資源に制約がある中小企業にとって、事業を円滑に進めるためにはアウトソーシングの有効活用が欠かせません。
ここで気をつけたいのは、
「アウトソーシングの有効活用=外部に仕事を委託するだけではない」ということです。
例えば、自社にとってのコア事業以外を外部の優秀な事業者に
業務委託(外注)するかわりに、自社にとってのコア業務に関しては
他社から業務を受託(請負)することで、効率的・効果的な事業経営につながってまいります。
こうした外注や請負は、アウトソーシングという言葉が一般化する前から用いられてきましたが、では違いはあるのでしょうか?
◆アウトソーシングと外注・請負の大きな違い
アウトソーシングと外注・請負は、「外部に仕事を委託・受託する」
という意味で非常に似ていますが、実は大きな違いがあります。
それは、戦略性の有無です。
従来の外注や請負が、与えられたスペックへの対応を求められるのに対し、アウトソーシングはコンサルティング的な対応も求められます。
例えば、機械製品の製造を外注する場合、
委託側の希望するスペック通りに製造できれば問題ありません。
一方、アウトソーシングする場合は、機械製品の問題点なども
分析しながら、より良い製品作りのための意見・提案が求められます。
つまり、アウトソーシングとは委託側の希望以上のスペックを要求されるのです。
そのため、仕様の段階から受託側の意見・提案も反映するなど、
その業務の一部または全部の権限を委ねられます。
こうした決定権の譲渡により、委託側はコア業務に集中できる上、
専門性の確保やコスト削減といった明確な戦略的メリットを得ることも可能となります。
◆アウトソーシングによる、経済的なメリット
前述のように、アウトソーシングと外注・請負の違いは
「戦略性、決定権の有無」です。
1工程を委託・受託するのが外注・請負であるとするならば、
1分野・1業種を委託・受託するのがアウトソーシングです。
そうした点から分社化に近いとも言えますが、あくまでも別の会社ですので、より活発な意見交換・提案を可能としております。
昨今ではアウトソーシングを有効活用することで、新興企業が急速に業績を伸ばし、市場を拡大させている一面もあるなど、ビジネスシーンのスピード化にも一役買っています。
今後、業務の高度化・専門化が進むに従い、さらにアウトソーシングの重要性は増すことでしょう。
その際、大切なのは「本業への集中」と「選択」です。
「自社のコア事業をさらに発展させるために、どの事業・
業務をアウトソーシングするか」
などをご検討中の方は、ぜひ弊社にご相談ください。
御社の状況に合わせた、最適なプランニングを行います。