正しくアンケートデータを分析する重要性と分析のポイントを解説
販売戦略を検討するためのマーケティングにおいて、収集したアンケート結果のデータ分析は極めて重要な役割を担っています。
しかし、正しいデータ分析をしなければ成果に直結する販売戦略の立案をすることは難しく、時間とコストをかけて行ったアンケートも無駄になってしまいます。
そこで本記事では、アンケート結果をデータ分析する重要性について詳しく解説します。
あわせて、アンケート結果から有益な情報を得る方法、データ分析を専門とする業者へ外部委託をするメリットもご紹介するので、販売戦略の立案に向けた正確なデータが欲しいとお悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
アンケート結果のデータ分析を正しく行う重要性
エンドユーザーや取引先などへ向けて行ったアンケートは、その結果を正しくデータ分析することでニーズを把握し、具体的な販売戦略へつなげることができます。
はじめに、アンケート結果をデータ分析することの重要性を解説します。
販売戦略の基準になる
アンケート結果を正確にデータ分析することで、数値に基づいた具体的な情報を得ることができます。
その結果、曖昧なものではなく、より現実的な販売戦略を立案・実行するための判断基準とすることが可能です。
顧客満足度や市場ニーズを把握し改善点を分析できる
アンケートの内容がすでに提供されているサービスや商品に関するものだった場合、結果を分析することで「どのくらい顧客満足度があるか」「ニーズを捉えたサービス・商品になっているか」といったデータを得ることができます。
そのデータを基に改善点を分析し、新たな販売(経営)戦略を検討することができます。
ユーザー視点が反映されたデータに基づいた戦略は、企業のさらなる成長へとつなげられるでしょう。
アンケートデータ分析の基本的な流れ
分析目的を明確にする
目的が曖昧なまま進めると、必要な項目が抜けたり、読み取るべき指標を誤ったりして、分析結果を施策につなげることはできません。
そのため、アンケート分析を始める前に、まず「何を判断するためのデータなのか」を明確にします。
【目的の例】
- 顧客満足度の改善につなげたい
- 新サービスの評価ポイントを把握したい
- 属性ごとのニーズの違いを知りたい
- 既存施策の効果検証をしたい
このように、目的を最初にしっかり定義しておくことで、その後に行う集計やデータの深掘りをする際のブレが生じにくくなります。
必要な指標・項目を整理する
分析目的が決まったら、次に「どの指標を使うか」を整理します。アンケートでは、回答項目が多いほど分析に迷いやすいため、目的に直結する指標を優先的に扱います。
【代表的な指標の例】
- 満足度スコア(5段階評価など)
- NPS(推奨度)
- リピート意向
- 改善点に関する自由記述
- 性別・年代・職業などの属性情報
特に属性データは、この後解説するクロス集計で「どの層がどんな傾向を持つか」を把握する際に欠かせない要素です。
データ分析の事前処理
生データには、無回答や記入ゆれ、誤入力が含まれることが多く、そのまま分析に使うと誤った結論を導く可能性があるため、分析前に以下のような事前処理を行います。
- 無回答の扱いを統一する:
(除外 or「無回答」カテゴリーとして扱う) - 異常値や明らかなミスを確認する:
例:年代「222歳」、満足度「6」など - 自由記述の表記ゆれを整える:
例:「接客が丁寧」「丁寧な接客」→「接客が丁寧」に統一 - 重複データがないか確認する
前処理を丁寧に行うことで、分析の精度が大きく向上します。
単純集計やクロス集計からさらに深掘りする
アンケート分析の基本は、次の3ステップを順に進めることです。
① 単純集計:全体の傾向をつかむ
- 各質問の「回答割合」や「平均値」を確認:
例:満足度5段階の分布、利用頻度の割合など
② クロス集計:属性ごとの違いを見る
- 性別 × 満足度
- 年代 × 購入意向
- 利用回数 × 再利用意向 など
上記を確認することで、「どの層で課題が出ているか」が明確になる
③ 深掘り分析:理由や背景を探る
- 不満理由の分類
- 高評価者の共通点
- 自由記述のキーワード抽出
このように、「全体 → 属性 → 理由」の流れを順番に探っていくことにより、改善の方向性が浮かび上がります。
アンケートデータを分析する代表的な方法
アンケート結果からユーザーニーズを把握し、数値に基づいた販売戦略の立案をするために有益な情報を得るための代表的な分析方法をご紹介します。
単純集計による分析
アンケート結果のもっとも基本的なデータ分析方法が単純分析です。
例えば、「はい」「いいえ」「どちらでもない」といった回答方法のアンケートの場合、設問に対してどの回答が多く選ばれているのかを取りまとめ、回答者数に対する割合を算出します。
単純分析のメリットは以下のようなことが挙げられます。
- 分析方法が比較的簡単
- 全体の傾向を把握しやすい
- 簡単に可視化しやすい
単純分析は、エクセルやGoogleスプレッドシートなどでも簡単に可視化することができます。

比較的簡単に数値の可視化ができる単純集計ですが、属性ごとの回答傾向といった詳細な分析は難しいです。
そのため、既存サービスや製品の利用状況や満足度など、大まかな傾向分析に適した分析方法といえます。
クロス集計による分析
単純集計は大まかな傾向分析が可能ですが、属性などで細分化することはできません。
しかし、クロス集計ならアンケート結果からより細かな情報を把握することができます。
例えば、性別や年齢、居住地域、職業といった項目を加えたアンケートであれば、属性ごとの分析ができます。
その結果、サービスや商品のターゲット層に「どれだけ認知されているか」「満足度はどのくらいか」といったより具体的な数値を把握することが可能です。
クロス分析も、単純分析と同様にエクセルやGoogleスプレッドシートで可視化することができます。

このように属性ごとの分析をすることで、自社製品やサービスのターゲッティングがしっかりできているかなどを可視化できることは大きなメリットといえるでしょう。
ロジックツリー式の分析
単純集計・クロス集計で全体傾向や属性差がわかったら、次は「なぜその結果になったのか」を深掘りする方法として、もっともシンプルで効果的なものがロジックツリー(理由分解)の活用です。
【ロジックツリーの例】
不満(理由)
├─ 待ち時間が長い
├─ 料金が高い
├─ スタッフの対応
└─ 品揃えが不足
また、同時に「満足している理由」整理することで、「どこを改善すべきか」「どこを強みとするべきか」といったことが明確になります。
ロジックツリーを使うことで回答者の声を論理的に分類でき、施策立案につながる「根本原因」が把握しやすくなります。
相関分析
相関分析は、2つの数値項目がどの程度関連しているかを確認する手法で、アンケートでは「満足度」や「利用頻度」「再利用意向」など、数値項目の関係性把握に役立ちます。
【例:満足度とリピートの相関関係を探る場合の基準】
- 満足度が高いほどリピート意向も高い
- 満足度3点以下の層はリピート意向が急激に下がる
- 属性別に見ると年代によって相関の強さが異なる など

このような結論が得られれば、「再利用意向を上げるには満足度のどのポイントを改善すべきか」が明確になります。
クラスター分析
クラスター分析は、似た特徴を持つ回答者をグループ分けする手法です。
顧客セグメントを把握したいときに非常に有効ですが、何を基準にして分類するかなど情報量が多いため、外部委託されることも多い手法です。
【例:3つのグループに分けて分析】
- A:満足度が高く、利用頻度も高いコア層
- B:満足度は普通だが、価格に敏感な層
- C:利用頻度が低く、改善点の指摘が多い層
このように回答傾向が似ている顧客をまとめることで、それぞれに最適な施策(値引き、改善、伝える方法など)が立てやすくなります。
自由記述式アンケートの分析方法
自由記述は評価の背景を知るために貴重ですが、件数が多いと読み切れません。そのため、テキストマイニング(文章の自動分析)という手法を用いて内容を効率的に把握します。
ワードクラウド
回答文から頻出する単語を取り出して出現頻度を可視化する方法で、「どんなキーワードが多く語られているか」を直観的に把握することが可能です。
【ワードクラウドの例】
- 「接客」「丁寧」「安心」が大きく表示→ポジティブな声
- 「待ち時間」「長い」「混雑」が大きい→課題の兆候
キーワード抽出・カテゴリ分類
文章を解析し、以下のように整理・分類をします。
【キーワード抽出・カテゴリ分類の例】
- ポジティブ意見
- ネガティブ意見
- 改善要望
- 商品に対する具体的評価
- サービスフローの課題 など
このように、テキストマイニングを活用することで、自由記述式の膨大なアンケートデータの中から重要なポイントだけを抽出でき、改善施策の策定に直結させることが可能です。
アンケート結果のデータ分析を外部委託するメリット
アンケート結果の単純分析やクロス分析は、ある程度の精度までなら自社で行うことも可能です。しかし、詳細なデータを得るためには、全てのアンケート結果を入力するための多くの時間、そして専門的な分析知識を必要とします。
このような課題を解決する方法の一つとして外部委託があり、次のようなメリットを得ることができます。
精度の高いアンケート結果のデータ分析が可能
アンケート結果の分析を専門としている業者は、培ってきたノウハウや専門的な知識を駆使し、より詳細な分析を行うことができます。
例えば、同じ単純分析・クロス分析でも専門業者へ依頼することで細かな分析結果を得ることができ、より高度なマーケティングへつなげることが可能です。
アンケート結果の情報漏洩を防ぐことができる
アンケート結果には、自社情報はもちろん個人情報が含まれるケースが多く、これらの情報が漏洩してしまった場合は企業としての社会的信用を失う可能性があります。
しかし、アンケート結果の分析を行う業者はセキュリティ対策がしっかりされているため、情報漏洩リスクを最小限にすることができます。
アンケート結果の分析ノウハウを活かした課題提案がもらえる
データ分析業者の仕事は数字を取りまとめて終わりではなく、取りまとめた数値を基にこれまで培ってきた豊富な知識やノウハウを活かして解決すべき課題を可視化できるデータにします。
可視化された課題を手に入れることは、新たな販売戦略の検討や改善をするうえで非常に有益な情報となります。
アンケート結果のデータ分析ならプロセス・マネジメントにお任せください!
プロセス・マネジメントでは、アンケートをデジタル化し、設問ごとの集計による詳細な分析が可能です。
また、個人情報保護を厳重な管理下で取り扱うためにPマークも取得し、徹底した情報の取り扱いも行っております。
「せっかくアンケートをしたのに有益な情報が得られない」「細かな分析による課題の可視化をしたい」といったお悩みの方は、高いリピート率を誇るプロセス・マネジメントまでぜひお任せください。
まとめ
収集したアンケート結果のデータ分析は極めて重要で、今後の販売戦略に大きな影響を与えます。
しかし、正しいデータ分析をしなければ成果に直結する販売戦略の立案をすることは難しいでしょう。
「行ったアンケート結果を基に販売戦略の立案がしたい」「重要な情報だから厳重な管理下で分析してほしい」とお困りの方は、ぜひプロセス・マネジメントまでご連絡ください。
経験豊富なスタッフが高品質なデータ分析をさせていただきます。
